| 手技のこと |
“about technology”
襖絵でも器でも本物は人を惹きつける素晴らしい力を持っています。
その力に負けない家具にするためには、手仕事から生み出される強さが必要だと思います。
また、家具の基本構造を全ての商品で「框組構造」という昔ながらの手間のかかる構造で製作しております。
それも先人からの教えを大切にしてきた温故創新の精神でもあります。
わたしたちは手技が息づく家具づくりとして、機械と手が絶妙に絡み合い「旭川家具」という家具産地としての誇りをもって、日々取り組んでいます。
| 加 工 |
「技術を支える新取の気風。」
加工と言うのは具体的にいうと、木取り後の天板や各種部品をルーターという特殊な刃物を使用し、部材の角を落とす作業を指します。
この工程を面取りと呼び、ただ単に角を落とすのではなく、丸く落としたり、または斜めに落としたりと、家具のデザイン的な完成度を左右する重要な作業です。
堅い木材の場合、無理な方向へ刃物を走らせると反発し、刃物の方へと機械の力で引き込んだりするため、一瞬たりとも気を抜けない熟練の技が求められます。
弊社では家具の基本構造を全ての商品で「框組(かまちぐみ)構造」という昔ながらの非常に手間のかかる構造で製作しています。
「框組」とは四角い箱を組立てる時、縦と横の部材を繋がなければなりませんが、通常は作業の効率化を図るためダボという木片を使用して繋ぎます。
框組は「ほぞ」と「ほぞ穴」という差し込む側と差し込む穴をそれぞれ加工して繋ぎ合わせます。
この構造の方がしっかりと家具の本体を組立てる事ができ長持ちしますが、家具の本体に関する部材を一つ一つ加工する作業は非常に手間のかかる作業です。
また、ほぞ加工は寸法通りに部材にほぞ付けしてほぞ穴を掘るだけでは、きっちりし過ぎて合いません。
寸法図には書いていない、コンマ何ミリ単位での加工をして、スムーズにそしてほんとんど隙間なく繋ぎ合わせる加減はまさに職人技と呼ぶにふさわしく、作業する職人の魂に火を付けます。
| 組立て |
「正しい形づくりとは。」
加工の工程でも触れたとおり、家具本体の基本構造が框組のため、基本的には釘を一本も使わずに組み立て作業を行います。
全ての部材においてほぞとほぞ穴加工された部材を一本一本繋ぎ合わせて家具の本体や扉等を組立てていくのですが、この工程も熟練の技と経験が生きる場面です。
基本部材がほぼ無垢材のため、ただ単純に組立てるだけでは後々狂いが生じます。
無垢材は変化して当たり前という前提があるため、ある程度のクリアランス等を取って組立て作業を行います。
もちろん組立て作業は全て「手作業」によるものです。